関東4県でようやく出荷制限
政府は6月2日、茨城全県と神奈川、千葉、栃木県の一部地域に対して、茶葉の出荷制限を指示した。福島、群馬県でもそれぞれ1自治体で規制値を超えたが、今回は出荷制限がかけられず、継続監視することになった。
茶葉の制限については、500ベクレル/kgという基準が設けられていたが、加工過程のどの段階を対象とするか、決められていなかったことから、規制が見送られてきた。
「生茶」・「荒茶」・「飲用茶」という段階ごとに放射能汚染濃度は変化する。生茶を乾燥して荒茶に加工すると、約5倍に濃縮される。これをお湯で抽出して飲用茶にした場合、約10倍に薄められる。
生葉で500ベクレル/kgだったとしても、飲用茶では50ベクレル/kg程度になる、と予想される。飲用水の制限基準が200ベクレル/kgであることから、これまで農水省では検査対象を生茶とするよう主張していた。
対する厚生労働省は原子力安全委員会から示唆された「荒茶をそのまま食べる可能性」を考慮。すべての段階で500ベクレル/kgとするよう求めてきた。
今回、最終的に政府判断で、検査対象を荒茶とするよう決定されたが、ふりかけとして利用される茶葉は、出荷量の3~4%程度だという。
汚染は畑の土壌からでなく……
また農水省は5月14日~15日間に行われたセシウム濃度の調査結果を
発表した。それによると、土壌の汚染は畝の間で260ベクレル/kg以下、株元で40ベクレル/kg以下だった。新芽が出たのは4月10日頃。大量の放射性物質が放出された後になるため、新茶に含まれるセシウムは、土壌から吸収されたものではなく、古葉から移動したものと見られている。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦
農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/tokusan/110602.html