精神障がい者は差別されている
5月23日、内閣府の第32回障がい者制度改革推進会議で、東日本大震災の避難所での障がい者の現状について報告された。
障がい者の中でも、精神障がい者にとってはプライバシーのない過酷な避難所生活は耐えられないことであり、これが更に症状を悪化させ、大声を上げたりして「避難所から精神障がい者は出ていってほしい」と差別されていることが報告された。
何百人といる避難所では、重度の知的障害のある男性が夜中に走り回ったり所構わず排泄をしたりするなどの行為が続き、「安心して寝られない」との不満が相次いだという。
見えない障害のため、周りから障害を持っていると気付かれにくいという点も状況を悪化させている。避難所で小さくなって孤立していく障がい者とその家族たちの苦悩が浮き彫りとなった。
多くの避難所「障害者はいない」「特別な支援はいらない」
実際、避難所には多数の障がい者がいるにもかかわらず、多くの避難所では、「障害者はいない」「特別な支援はいらない」と言うそうだ。
障害者といっても、避難所側が考える障がい者は、車椅子などを利用している重度の障がい者であることから、内部障害や難病、精神障害などを想定していない。このギャップが支援の遅れを招いている。
見えない障害という点では聴覚障がい者も苦労している。一部の報告では、ある難聴者が補聴器のハウリング音がうるさいと言われ、終日避難所の外で時間を過ごし、寝るときだけ避難所に戻るという生活を送っているという。
また、避難所では食事時間や入浴時間などの重要な連絡がマイクを通して知らされるため聴覚に障害がある人には伝わらないという現状も報告されている。
日にちが経つほど各地の避難所では、一般の避難者はもとより障がい者の疲労の色が濃くなっている。
第32回障がい者制度改革推進会議議事次第