財政状況は極めて厳しい状況
経済協力開発機構(OECD)は4月21日、2011年の「対日経済審査報告書」を公表した。報告書によると、現在の日本は厳しい財政状況にあるとした上で、慢性的な財政赤字を解消するためには、歳出削減と税収増による財政健全化政策が最重要課題であることを指摘。
具体的な赤字削減については、主に消費税率の引き上げによる歳入側に依るべきであり、財政目標を達成するためには、消費税率を 20%相当まで引き上げることが求められるとの見解を示した。
人的資源の活用
労働問題においては、非正規労働者の増加による労働市場の二極化の拡大を防ぐため、雇用保険などの整備といった包括的取り組みが求められるとの認識を示した。
また、生産性向上が課題とされる今般、2050年までに生産年齢人口が 40%程度減少すると見込む場合、女性や高齢者を含む日本の人的資源を十分に活用することが不可欠であるとの認識を示し、保育所の充実による女性の労働参加や、高齢労働者の有効活用のための画一的な定年退職制度の廃止についても言及した。

OECD対日経済審査報告書2011
http://www.oecdtokyo.org/theme/macro/2011/20110421jpnsurvey.html