漫画家が原作者降りるという異例の事態に
テレビ朝日のドラマ「ハガネの女 シーズン2」の内容に異議があるとして、原作者で漫画家の深谷かほる氏が24日までに、自身のホームページで原作者の立場を降りたと表明して波紋を呼んでいる。
問題のシーンをめぐりネットでは大炎上
きっかけとなったのは、4月28日放送の第2話のワンシーン。転校してきたアスペルガー症候群の男児が学校でトラブルを起こし、彼を特別支援学級のある学校に転校させるべきか残るべきか、生徒たちのクラス投票で決めるという場面であった。
このシーンをめぐり、放送直後からネット上では、発達障がい児の存在を多数決で決めるというドラマ内容への批判や不満が相次いだ。
番組公式サイトや深谷氏ホームページの掲示板などにも、視聴者からフィクションにしてもあまりにもひどい、多数決で人の存在を決めるのは問題だといった内容の書き込みが多く寄せられている。中には、ドラマ打ち切りなどを求める書き込みまであったという。
今回の続編はテレビ局側の「完全オリジナル脚本」で制作
深谷氏は、ホームページのトップすべてを使い、2話の描写に同意しないとして16日放送の最終回放送分で原作者の立場を降り、クレジットを外すことになったことを明らかにしている。
①私が同意しない理由は多数決をされた生徒がアスペルガーという設定であるからではありません。障害の有無に関わりなく、生徒の処遇を他の生徒の多数決によって教師が決めさせるなどということは学校では起こり得ないし、起こしてはいけないと考えるからです。
②「原作と違う」という点から同意しないのではありません。
③出演者、制作スタッフ、ドラマファンの皆様が作り上げたかけがえのない作品に水を注すことには、痛恨の思いがあります。
しかし私は、第2話によって不当に悲しまされ、希望喪失の思いをさせられた人がいると考えます。
自分はその人へ、制作関係者の中でも多数決に反対した者はいたことを伝え、謝りたいのです。
悲しまれた方、力を落とされた方へ。申し訳ありません。
深谷かほる
ドラマのビデオ化やネット配信にも反対を表明している。原作者が映像化した作品に苦言を呈することはよくあることだが、ここまでの内容は珍しい。
今や、マンガや小説のドラマ化や映画など多数あるが、原作者の関わり方など明確化されなければ、このような騒動は後を絶たないのかもしれない。
ハガネの女公式ホームページ|テレビ朝日深谷かほる~オフィシャルサイト~