死を恐れると炎症がひどくなる
英ロンドン大学の研究チームは6月17日、「心臓発作を起こした際、死を非常に恐れる患者ほど長期的な予後が悪くなる」という研究結果を発表した。
調査は急性冠症候群(急性の狭心症や心筋梗塞にいたる虚血性心不全)で来院した患者208例について行われた。死の恐怖について訊ねるととも、、炎症を誘発するTNF因子の血中濃度などを測定。さらに3週間後、自宅を訪れて心拍数やストレスホルモンなどについて測定した。
その結果、結婚していない若年者や経済的に貧しい人ほど強い恐怖感を示し、恐怖感が大きいと炎症の指標となるTNFが4倍程度まで増加することがわかった。TNFの分泌量が多いほど、心拍数は減少し、死亡率が高くなった。また、ストレスホルモンは減少したが、これは心臓の炎症を抑えられないため、と分析されている。
大気汚染、コーヒー、怒りが心臓発作を起こす?
2月にベルギーのハッセルと大学のチームが発表した研究では、心臓発作とさまざまなファクターとの関係性が明らかになっている。大気汚染は危険度を5%高めるだけだが、コーヒーは約1.5倍に、アルコールは3倍に高めることがわかった。大気汚染のリスクは小さいように思えるが、その他のファクターに比べると、影響を受ける人が非常に多いため、無視できない要因とされている。
感情の起伏も心臓発作と強い関係が見られた。否定的な感情は心臓発作の約4%に、中でも怒りは3%強に関係していた。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦◆健康美容EXPニュース
http://news.e-expo.net/world/2011/06/post-111.html>英ロンドン大学(UCL)
http://www.ucl.ac.uk/