許可書なしでの埋葬が可能に
時間の経過とともに、人的な被害が判明しつつある東北関東大震災。発見されたご遺体の埋葬もままならない現状を受け、厚生労働省は埋葬許可書なしでの埋葬を認めるよう、自治体に通知しました。
一般的には火葬の後、火葬場より発行された火葬許可書に証印をもらうことで、埋葬許可書とします。地域の火葬場が津波により全滅。火葬を行えないこともあり、医師が作成した死体検案書のみでの埋葬が可能となりました。
禅宗のお寺が受け入れ 土葬も可能に
火葬場が機能を失っているため、多くの死者を出した市町村では、相次いで県対策本部に土葬の許可を要請。この動きを受け、全国から土葬の要請を受け付けている土葬の会が東北各県の寺院に協力を呼びかけたところ、福島県にある曹洞宗の寺院、天徳寺が受け入れを決めています。
棺など、埋葬用具も不足する中、土葬の会では「普通の着衣のままの土葬も可能」とアドバイス。深さ2m、幅1m、長さ2m程度の穴を掘り埋葬することになる、ということです。
イメージ ©Hyougushi
生かされた阪神大震災の教訓
6000人以上の死者を出した阪神大震災でも、同じく遺体の埋葬には苦慮した経緯があります。火葬がとりおこなえず、数週間も放置される遺体を前に「早く荼毘(だび)に」と願う遺族の姿が見られました。今回の迅速な決定は、そういった経験をふまえたもの、とみられます。
編集長 谷垣吉彦
◆土葬の会 http://dosou.jp/