「ベタンクール疑惑」ってなに?
ベタンクール疑惑とは、化粧品大手ロレアル創業者の娘で、大富豪のリリアン・ベタンクールさんの資産を巡る疑惑で、ベタンクールさんの資産管理会社にブルト労相の夫人が勤務し、税金逃れをしていた可能性が指摘され、労相本人も関与が取りざたされた上に、大統領選でサルコジ陣営がベタンクールさんから多額の献金を秘密裏に受けた疑いも騒がれています。
発端はネット新聞の報道から
ネット新聞「メディアパルト」が、ベタンクール疑惑に関連して、家庭内の盗聴記録を入手しブルト労相のかかわりを報道したり、元会計士の証言として、サルコジ大統領の関与の可能性を報道したりしました。
当然、与党からは「ファシストの手法」「金もうけのための報道だ」「証拠もないのに書き立てる。まるで1930年代のメディアだ」などと猛反発が起こりました。ソースが盗聴だったり、元会計士の証言だったり、少し信憑性には欠ける点がありますが、与党のイメージダウンには充分な情報でした。
一般紙は後追い
一方、一般紙は何をしているかというと、多くは、大統領と親しい経営者が買収したことが原因で、政府寄りの立場の報道をしています。このため野党は完全に「メディアパルト」を擁護し、報道の自由の尊重を要求しています。報道バトルが政治バトルにも発展してしまい。フランスの国政は混乱しています。もっと決定的な証拠が出てくれば、明確になるでしょう。そのために、より信憑性のあるソースをみつけることが「メディアパルト」には必要でしょう。
Asahi.com サルコジ政権、ネット新聞と全面バトル 疑惑報道巡り
http://www.asahi.com/international/update/0713/TKY201007130584.html