不要論へ異議を語る
名古屋市の葬儀会社「三輪本店」に勤める山田眞義さんは、勤務で経験した様々な出来事と、本来の葬儀のあるべき姿について語った随筆「葬儀秘録—今日で私を忘れてください—」(クリタ舎)を出版した。「葬儀不要論」が登場するご時世、葬儀の大切さを切々と綴る。
真摯な姿勢が遺族の心に届く
本書では、自らの体験談をいくつも紹介しており、自身が身内になったつもりでお手伝いに徹してきたという山田さん。
トレーラーに巻き込まれて事故死した少年の遺体が安置された集会所に駆けつけた際は、息子の死を受け入れられず、泣き続ける母親を目にして、葬儀の打ち合わせには入らず、正座したまま半日以上見守り、信頼を得たこともあるという。
こういった姿勢が、担当遺族から「次も山田さんで」と言われたこともあるという。本書の副題、「今日で私を忘れてください」は、そんな時に返す言葉であり、山田さんはこう結びます。
「私は葬儀社の人間。何かあった時だけ思い出してくれればいい」
著者について
名古屋市生まれ。メモリアルプランナー。子供服で知られる人気アパレルメーカーに勤務のち、大正13年から続く老舗の葬儀社に転職、セレモニーホール紫雲殿を運営する株式会社三輪本店の本部長を務める。1級葬祭ディレクター。
本書は名古屋市内の一部書店で取り扱い1260円(税込み)。問い合わせは、クリタ舎(052・705・1309)
クリタ舎
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