電子政府の評価指標もリニューアルが必要
経済協力開発機構(OECD)は公共部門のパフォーマンスに焦点を当てた新しい電子政府の指標の設定を念頭に世界の主要な電子政府調査会社との話し合いに入った。
OECDの電子政府プロジェクトの責任者であるFutureGov社のYih-Jeou Wang氏は次のように話す。
「電子政府ランキングは政策決定者にとって有益な指標となってきたが、そろそろ次世代の指標を開発する必要が生じてきている。
電子政府が公共部門の改良に寄与する過程は複雑で、公共部門のパフォーマンスを既存の指標から判断することは難しい。意義のある比較ができるようなデータは限られており、しかもそれはしばしば主観的な評価に基づいている。」
OECDは今年3月、31の加盟国、調査発表機関である国連経済社会局、欧州委員会、日本の早稲田大学などの大学機関との協議に入った。
これまでとは違った指標を
Wang氏は次のように話す。
「この計画は方法論と既存のランキング指標を組み合わせて新しい何かを作ろうというものではない。我々は政府が独自の結論を引き出せるようなこれまでとは別のタイプの指標を作りたいのだ。」
新たな指標がどのように開発されるべきかを分析するための各国代表による"バーチャル部会"が設置されようとしている。これはウェブ上のプラットフォームで技術的な議論を主催するものである。
より有効な指標の枠組みが求められている
3月の議論はターゲットエリアの確定と明確な定義、方法論を確立することに焦点を当てていた。実際の開発段階では加盟国、国際機関、学術研究チームのより緊密な協力が必要となる。
これらの作業結果はOECDの半年ごとの報告書に反映される。
Wang氏は次のように考えている。
「進捗を監視し、評価しようとしても、測定できないものは管理できない。必ず正しい測定の枠組みが必要だ。しかし、その為には政府機能のパフォーマンスが実際にどう改善されたのかを見極められるような指標が必要である。」
新たな指標設定のスケジュールはまだ確定していない。
OECD plots next generation e-govt indicators
http://www.futuregov.net/articles/2010/may/18/oecd-plans-creation-new-e-govt-indicators/Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD)
http://www.oecd.org/home/0,2987,en_2649_201185_1_1_1_1_1,00.html