自動車の研究開発に向けた全学的な取り組み
もともと実学重視で知られる東北大だが、次世代自動車の研究や技術開発に向け、新年度から全学的な取り組み体制とすることが示された。トヨタ系メーカーの進出に呼応するものでもあるが、特定業種とはいえ技術の幅が広く、産学連携の拡大とともに、地域経済への寄与も大きいとみられる。今後の展開が注目される。
構成の主体は大学院工学研究科で、多元物質科学、金属材料、電気通信の各研究所なども加わるという。
1月中旬にも産学研究拠点を設置
取り組みの中心となるのは、工学研究科が1月中旬にも設置する産学研究拠点「情報知能システム(IIS)研究センター」で、ここにロボット工学や電子制御、エネルギー、情報通信、金属素材など70以上の研究室が参加し、各領域の専門家が企業の技術者と共同で次世代自動車の研究や技術開発に当たることになる。
具体的な研究テーマには、高性能ロボットの導入による完成車工場の生産性向上や、カメラと画像認証システムを使って危険を認識し、自動で衝突を回避する「運転支援システム」の開発などが挙がっている。
また電気自動車の分野でも大学独自の研究を進め、効率が良いモーター開発や市街地での充電システム構築、リチウムイオン電池の性能向上などを目指すという。
河北新聞社記事へのリンク