家系図熱の原因
家系図作りは、海外では学校の課題としてよく出題されます。しかし、近年、アメリカで見られる家系図ブームは、学校の課題の枠をはるかに超えています。
家系図作りを趣味とする人の数は、この2~3年で急増しました。その陰にはAncestry.comやgenealogy.com、familysearch.orgのようなウェブサービスもあり、これら最先端のサービスを活用することによって、アイザック・ニュートンの時代や、それ以前の時代にいた祖先までさかのぼることができます。
アメリカの家系図熱は、更に2つの娯楽を取り込み大きくなりました。テレビ番組と、人気セレブです。
ancestry.comは、アメリカのテレビ局NBCの新番組「Who Do You Think You Are?」の製作に協力しています。このテレビ番組では、毎回世界的に有名なセレブが登場し、彼らの祖先に眠る、知られざる物語を解き明かすのです。
それよりも少し前に、PBSのヘンリー・ルイス・ゲイツ・Jr.博士によるドキュメンタリー番組、「Faces of America」も始まっています。この番組では、ジャーナリストのマルコム・グラッドウェル氏や、大学教授であり、詩人でもあるエリザベス・アレクサンダー博士や、コメディアンのステファン・コルバート氏の家系図が取り上げられました。
人は家系図に何を求めているのか?
ティム・ヒングリー氏は、ポタワタミー郡で家系図を研究している団体の副代表を務めています。彼が言うには、人はそれぞれ違った理由で家系図にハマるのだそうです。
「人は、非日常をそこに求めているんです。」
と、彼は話します。
「ある人は血縁関係に有名人がいないか期待しているでしょうし、ある人は家族のことを余り聞かされていなかったため、自分で調べようと思うんです。時々人は、そこに何か興味深い何かを見つけようとします。」
ヒングリー氏の団体には、144名の活動メンバーがいます。団体にはいつも、数え切れないほど、家系図作りにかんして助けを求める声が寄せられます。2009年には427通のメールと、425通の手紙を受け取りました。
また、ヒングリー氏によれば、不景気も、この家系図ブームに一役買っているようです。家系図作りはそれほど費用のかからない趣味です。費用がかかると言えば、祖先がいたとされる土地を訪ねる旅行か、調査資料がある図書館へ移動したり、親族のお墓を見たりするための交通費ぐらいのものでしょう。
家系図サービスを提供している多くのウェブサイト以外にも、家系をたどるための資料はたくさんあるとヒングリー氏は話します。
死亡記事、婚姻届や死亡届、土地購入の記録や不動産登記、婚姻記録もあれば、日本の戸籍に相当する人口調査記録もあります。これらを調べることで、枝分かれした家系図を調べることができるのです。家系図ファンの情報によれば、ポタワタミー群には、非常に価値の高い歴史書もあります。
「もし幸運なら、歴史書の中から、お目当てのだれかを探しあてることも可能でしょう。」
と、話すヒングリー氏は、自身の曾祖母(そうそぼ)もこの本から見つけたそうです。この歴史書は、それまでほかの資料を当たっていた人にとっては、全く新しい方向性を見いだすことのできる資料となるでしょう。
家系図作りは、今や世界中でブームを迎えている産業です。Ancestry.comは、同社の広報によれば、100万人を超える利用者を抱え、月間900万人近くのユニークアクセスを集めます。1400万人のユーザーが、同社のサービスを利用して家系図を作成しているのです。
Ancestryは元々、出版会社として1983年に設立され、1997年にインターネットサービスへ移行しました。Ancestry.comには、40億以上の歴史的資料が保管されていて、家系図作りにいそしむ人々を助けています。
「この資料は、単に家族間で語り継がれた推測や、民話だけではないんです。」
と、同社の広報は話します。
「人々はこの資料をもとに、家族のつながりを証明することができるんです。」
Geneaology explodes as a hobby
http://www.southwestiowanews.com/articles/2010/04/04/council_bluffs/doc4bb809b7c8aef246966566.txtAncestry.com
http://www.ancestry.com/Who Do You Think You Are?
http://www.nbc.com/who-do-you-think-you-are/Faces of America
http://www.pbs.org/wnet/facesofamerica/