無給インターンシップの判断基準を明確化
アメリカ、カリフォルニア州の労働局は、賃金が支払われるべきインターンシップと、そうでないものを判断するガイドラインを新しく発行しました。
これにより、雇用者側は今まで以上に、インターンに支払をするかしないかの許容範囲を与えられることになります。
従来の基準を強調する形
情報技術にかんする忠告文書で、カリフォルニア州労働局の代表弁護士は、インターンシップの基準に対する解釈を述べました。これは雇用者へあてられたもので、常勤の従業員と同様の仕事の一部をインターンがこなすのであれば、インターンに常に支払をする必要はないと書かれています。
インターンの仕事が、雇用者側にとって、従来のガイドラインで定められている「急激な利益」にあたる場合でも、ほとんどの報酬や時給の規制は据え置かれたままです。
しかし、カリフォルニアの代表弁護士は、このようにインターンが支払を受けられず、雇用者側に有利になる条件であっても、雇用者側がきっちりとインターンを監視下に起き、訓練を行えば、経済的な効果は相殺されると付け加えました。
結局、今回カリフォルニアで打ち出された新しいガイドラインは、今までの無給インターンシップの条件を強調するものとなりました。インターンシップは、教育的なことであり、雇用者側ではなく、インターンの利益に主体を置くものなくてはいけないということです。
増え続ける無給インターンシップ
インターンシップの数はどんどん増えています。その中で、たくさんのインターンたちが、特別スキルも必要としない、取るに足らない雑用を与えられ、無給のまま雇われることに苦情を漏らしています。
この数週間、アメリカ連邦労働局は、故意にインターンに支払を行わないまま、違法労働を強いる雇用者を取り締まる法を施行すると約束していました。
労働局で、最低賃金や時給に関する対策を統括しているナンシー・J・レピンク氏は、
「営利会社の無給インターンシップで、法を遵守しているものはなかなか見つからないでしょう。」
と、話します。
カリフォルニア州が今回発行したガイドラインは、「Year Up」というインターンシッププログラムにも適用されます。これは、18~24歳の貧困層出身者を対象に、仕事にいかせる情報技術の基本スキル習得を目的に行われるサンフランシスコのプログラムです。
ほとんどの参加者の学歴は、高等学校卒業。そうでなければ、GED(一般教育終了検定)という、高等学校卒業と同等と見なされる資格の保有者です。
5か月間講座を受けた後、参加者は6か月間のインターンシップを行います。そのインターンシップで仕事の指導を受け、ソーシャルワーカーにも相談しながら、ウィルスに感染したコンピュータの直し方や、プログラムのインストール方法を学びます。
このインターンでは、大学の単位も受け取ることができます。インターンシップを行う企業は、インターン1人あたりに週875ドル(日本円で8万円ほど)を費やします。ほとんどがYear Upプログラムに支払われるようです。
California Labor Dept. Revises Guidelines on When Interns Must Be Paid
http://www.nytimes.com/2010/04/10/business/10interns.html