人々の心を掴むプラットフォーム
インターネット及びWeb2.0の使用を通じて健全な政治運営と政策決定を促進する非営利団体The Digital Policy Council(DPC)が「Facebook: A Platform for 21st Cetury Politics, Winning Hearts and Minds on the World Wide Web ( Facebook:21世紀の政治に適したプラットフォーム、www界で人々の心を掴む の意)」という報告書を発表した。
この報告書は、150億人とも言われるイスラム教を信仰する人々(ムスリム)に対して、ムスリム指導者たちがウェブ活用通じてどのような影響を与えているのかということに注目している。
150億という数字は、実に世界人口の4分の1を占めており、イスラム社会の動向は今世界が注目、また西側の懸念でもあることは周知の通りだ。
ネット上のムスリム
ネット上のムスリム人口は現在2億2500万人、毎年30%の割合で増加しており、2010年には10億人を突破するだろうと予測されている。
政治運営をよりよくする道具とインターネットを捉え歓迎するムスリム指導者も存在はするが、多くは伝統的な中央集権の体制を突き崩すものとして警戒し、その普及に対し積極的な防御対策を講じている。
政治指導者たちがウェブを活用し、自らの政治の透明性を高め、世論との広く交流をしながら政策決定を推し進めてゆくことは今や世界のトレンドとなりつつあるが、アジア、中東のムスリム世界でのその担い手は、若い革新的な政治指導者たちのようだ。
Facebookと新しいムスリム指導者たち
Facebook上での情報交換、世論との対話を行っている代表的な存在はレバノンのハリーリー首相、現在40歳である。そして最も活発な動きを見せているのが、エジプトの「次世代」大統領候補の間でのオンラインキャンペーンだ。
またヨルダンのラーニア王妃、イランのラフナヴァルド女史、カタールのムーザ王妃らのようなムスリム女性たちが、彼女らの政治的活動に関して25万人ほどのファンを集めていることも見逃せない。
ステレオタイプを変える力?
主要メディアは、インターネットを急進的グループがメンバーを増やしたり、反西側感情を煽ったりの温床と捉える向きもあるが、この報告書はそれに反論、インターネット上の風潮は穏健であり、社会改革や市民権などについての内容が豊富であるとしている。
西側で開発されるWeb2.0のアプリに関するライセンスやオンライン検閲に関する規制を緩やかにすることは、ムスリム社会の指導者たちを応援し、人々のソーシャルメディア活用を促進、ひいては中東諸国の変革と前進の一助となるのかもしれない。
The Digital Policy Councilによる報告書 「Facebook: A Platform for 21st Century Politics, Winning Hearts and Minds on the World Wide Web」(英語)
http://www.digitaldaya.com/epetition.php?id_petition=60SkyNewswire.com 'Digital Policy Council Identifies Facebook as the Tool of Choice For Political Leaders Seeking to Influence and Inform'
http://www.skynewswire.com/modules/news/article.php?storyid=15811