ハリウッドの有名映画監督、スパイク・リー監督が、家系図をテーマにしたアメリカの人気番組「Who Do You Think You Are?」に出演し、祖先にまつわる感動のストーリーを公開したそうです。
監督は、自分が奴隷の子孫だと、番組に出演する以前から知っていました。
マーズを巡る旅
「Malcolm X(マルコムX)」の代表作で知られる監督は、世界的セレブがそれぞれの家系をたどる番組の中で、感情的にならざるを得ないジョージア州アトランタへの旅路に就きました。
その中で、奴隷にされた彼の高祖父、マーズさんと、彼の出世作「She's Gotta Have It(シーズ・ガッタ・ハヴ・イット)」に登場した人物のつながりを発見します。監督はがく然としたそうです。
「She's Goota Have Itの脚本を書いていた時、登場人物の名前を思いつかなかったんだ。だから、ママ(祖母)を呼んで、『何か名前が必要なんだ』と話した。それから出てきた名前が『Mars(マーズ)』なんだよ。」
と、彼は話します。
「ぴったりな名前だった。映画の中のマーズは、頭がおかしいんだよ。正気じゃないよな、じいちゃんのじいちゃんの名前が、同じマーズだなんて。」
奴隷生活から解放された後、監督の高祖父は80エーカーの土地を購入します。監督は実際にその土地を訪れ、映画の中で自身が着用したネックレスをそこに埋めました。「Mars(マーズ)」の名前が刻まれたネックレスです。
自分の祖先が、自分のキャリアの原動力となったことを認め、監督は付け加えます。
「これだ。これは霊魂の仕業なんだ。電話をかけて、『ママ、何か名前が必要なんだ』と、言わせた。マーズの魂が、そうさせたんだ。」
白人の親せきも見つかる
これ以外にも驚きの瞬間がありました。監督には、白人の親せきがいたのです。グィネヴィア・グライアーさんは、監督から2世代離れた"いとこ"です。監督は彼女と会うことを決めました。
監督は彼女に、
「この数年間、アメリカ中、あちこちの空港で、不特定多数の白人を見てきた。それから頭の中で自分に言うんだ。もしかしたら自分の親せきかもしれないってね。でもそれ以上のことは考えたことがなかった。今、顔面に食らわされてるよ。自分は、君のソファに座っていて、僕らはいとこ同士なんだ。」
と、話しました。
次回作への意気込みも
この経験は、監督の創作意欲をかき立てたようです。彼は奴隷にされた祖先を描く新作に取りかかりたいと話しました。
「今までもずっと、自分が何者であるか自覚していた。でも今は、それ以上になった。この旅は、とても意味のあるものだった。母方の祖先の生きた記録だ。できれば、プランテーションの複雑な問題を描いた作品をいつか作りたい。」
原文: Contactmusic.com (翻訳: Miyuki.T)
Who Do You Think You Are?(英語)
http://www.nbc.com/who-do-you-think-you-are/原文: Spike Lee - Lee Discovers Slave Roots On Genealogy Show (Contactmusic.com)
http://www.contactmusic.com/news.nsf/story/lee-discovers-slave-roots-on-genealogy-show_1141074