英国与党の労働党が総選挙を一週間後に控え、窮地に陥っている。何と、ブラウン首相が支持者の女性をこっそり「偏屈な女だ」と罵ったのが全英に報道されたのだ。
マイクをつけたまま、ついうっかり
ブラウン首相は市民集会の終わりに66歳の有権者の女性から移民政策に関して厳しいコメントを投げかけられた。車に乗り込んで会場を後にしたのだが、まだテレビ用のピンマイクを胸に付けていることを忘れて車内で彼女に悪態をついたのだ。
「最悪だ。あんな女性に会わせるなんて、だれの考えだ? 偏見だらけの女性じゃないか」
瞬く間にこの音声は放送され、ブラウン氏はスケジュールを中断してこの女性の家を訪問し、謝罪することになった。
ライバルやメディアの格好の餌食に
対立政党や報道各社はここぞとばかりにこの失言に軽蔑の言葉を浴びせかけた。
右寄りのテレグラフ紙は「破滅の日」とセンセーショナルに報道した。労働党寄りのガーディアン紙でさえ、「2010年総選挙の大惨事だ」と諦めムードだ。対立する保守党の議員であるジョージ・オズボーン氏も「今回の件で、労働党は馬脚を現した」と容赦ない。
失地回復は最早不可能?
この事件で重要なのは、ブラウン首相がこれまでの傲岸で怒りっぽいイメージを払拭しようと努めていた矢先の出来事であるということだ。今回のこの女性とのやり取りも、もとはと言えば一般の有権者の声に耳を傾けるというイメージ戦略だったのだが、完全に裏目に出る結果となった。
候補者のインターネットでの不適切発言による指名取り消しが続いた上に首相までが・・。労働党の勝利は絶望的と言えるかもしれない。
Brown's 'bigoted' blunder
http://www.straitstimes.com/BreakingNews/World/Story/STIStory_520934.html