大統領の事故死を受けて
カチンスキ大統領夫妻を含む96名の死亡者を出したポーランドの空軍機墜落事故は記憶に新しい。この事故を受け、秋に予定されていた大統領選が急遽6月20日に変更された。
そんな中で、どの大統領候補も既に放送予定が組まれているテレビやラジオなどの主要メディアを介して5月6月に広告を打ち出すのに苦戦を強いられており、オンラインキャンペーンの即時性に注目が集まっているという。
派手なようで地味?
ポーランドでネット政治というものはまだまだ新しい現象であるが、その即時性に加え、オンラインキャンペーンだからこそ国民感情に対して配慮することができる側面も注目されているようだ。
政治マーケティングの専門家たちは、テレビやラジオで大々的に自分を売り込んだり、候補者同士が泥仕合をして見せるということは、大統領をあのような形で突然失った今の有権者たちには受け入れられ難いだろうと見ている。
このオンライン独自の2つの性質によって、今回の大統領選挙キャンペーンの主戦場はオンライン上となるのではないかと予測されているのだ。
主要候補のe-戦略格付け
ワルシャワビジネスジャーナルオンラインによる各候補者のe-戦略格付け(ウェブページ5、Facebookアカウント5、Tiwitterアカウント5の合計でフルスコア15)を見てみると、主だった7人の大統領候補のうち、ウェブ技術に長けた候補陣営が多く支持されているということではないようだ。確かにサイトや広告の見た目や技術も大切だが、人々の心を掴むのはあくまで“ウェブの中身”のようだ。
カチンスキ大統領の死後大統領代行を務めており、国民の人気も高いコモロフスキ下院議長(所属政党:市民プラットフォーム)は、この格付けの中で8.5ポイントと中間に位置づけられている。
前首相であり、故カチンスキ大統領の双子の兄であるカチンスキ党首(法と正義)は4ポイント。弟の遺志を継いでの出馬、国民の注目も集めているが、オンラインキャンペーンの開始は最も遅かった。
15ポイントのフルスコアを誇るのは、市民プラットフォーム結党メンバーでもあり過去に財務、外務大臣を務めた経歴を持つ現在無所属のオレホフスキ候補。
Warsaw BUSINESS JOURNAL
http://www.wbj.pl/article-49496-taking-the-campaign-online.html