保守と中道左派の連立は前途多難?
5月6日の総選挙の結果、戦後初となる連立政権となったイギリスであるが、選挙制度改革、財政再建策、防衛政策、EUとの関わり方など主要な政策で立場を異にする保守党と自民党の連立に支持者の間で困惑や反発が広がっているようだ。
皮肉とジョークが入り混じる各メディア
保守党のキャメロン党首と自民党のクレッグ党首による連立政権樹立の会見を受けて、報道各紙は皮肉も込めて様々に報道している。
タイムズ紙のアン・トレネマン記者は新首相の名前を「クラメロン(クレッグ+キャメロン)とすべきか、キャメレッグ(キャメロン+クレッグ)とすべきか?」と書いているし、ミラー紙のケビン・マグワイア記者は新しいイギリスを"Con-Dem国家"と名付けている。"Conservative(保守)"と"Lib-Dem(自民)"を繋ぎ合わせて"condemn(非難、糾弾)"とかけているのだ。
有権者の困惑、こんなはずでは・・・
今回、自民党に投票した人たちの中には、保守党の政策に反対する人が少なくない。そういった人たちにとっては、自民党との連立で保守党が政権を取り、保守党のキャメロン党首が首相になることに大きな抵抗を感じている。
自民党に投票したクリスティーン・ハドリーさん(57)もその一人だ。
「私たちは保守党に政権を取らせないために自民党に投票したのに。もう二度と自民党には投票しない。」
下野した労働党に党員申し込み急増
一方で、今回下野した労働党のロンドン本部では党員希望の新規申し込みを数千件受け取っているという。その一人であるマークさんは労働党に入党の申し込みをした理由について次のように話す。
「自由民主党にはがっかりした。元自民党支持者として、私は非常に不愉快だった。結果的に保守党がイギリスを再び破壊することに手を貸してしまったわけだからね。」
また、"自民党に保守党の連立要請を受けてほしくない"と題したフェイスブックのグループはあっという間に63,000人のメンバーを獲得した。
Coalition government: smiles in the sunshine at No 10, but a rocky road lies ahead
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/may/16/coalition-government-rocky-road