障害者、受け入れる余裕ない
県立前橋高等養護学校の3年生のうち、勤め先が決まっているのは就職希望者24人のうち12人。企業からは「障害者を受け入れる余裕はない」「会社にそもそも仕事がない」との声が聞こえてきる。
就業体験を行うものの・・・
同校の就職活動は2年生から始まり、「就業体験実習」を通して事前準備を行うが、経費は生徒側が負担し報酬はゼロ。越石教頭(54)は「就業体験を通じ、1人で黙々と仕事をこなすのが得意だったり、集団作業に向いているなどの適性を把握する」ことが目的という。実習先の事業者が「戦力になる」と判断した場合、卒業後に雇用される。
学校名を告げると急変
しかし今年は不況の影響もあり厳しい。さらに、「電話で学校名を告げただけで企業側の対応が変わる」と嘆く。昨年、実習引き受けがゼロという生徒もいた。生徒の中には、実習先でうまくコミュニケーションが取れなかったり、トラブルを起こすこともあるなど対応が難しい。飯野教諭は「卒業まであと1カ月余り。全力で就職先を探す」としている。