起業家志向はいま
経産省の「起業家教育促進事業」が始まってから久しいが、昨年末の野村総研の調査報告では、ここ10年に渡って起業家志向が低下傾向にあり、それも若年層に顕著とのことで、これに憂いていたところであった。
経産省事業の指定校としての取り組み
そんな折、浜松市の小学6年生が、体験学習の一環で百貨店の社員から接客方法やお辞儀の仕方を学んだそうで、さらに2月4日には、授業で作った
草木染のハンカチやスカーフを実際に遠鉄百貨店で販売するという。
これは、経産省事業の指定校として、平成15年から”仕事”をテーマにした授業に力を入れてきた体験学習のひとつであり、今年で7回目とのこと。
同校は、昨年10月ごろから総合学習の時間に「会社の設立」を想定した学習を始め、グループ別に社長や経理担当者を決め、役職や資本金の流れを学んだりと、本番さながらの体験学習を行っており、子供たちがさまざまな職種に興味を持つきっかけとなっているという。
同校の花井校長は「会社の設立や接客といったテーマを通じて、社会がどうなっているのかを学んでほしい」と話しているが、模擬社会体験とは言え、身になることは間違いない。
「起業家マインド」醸成への期待
こうした体験を踏むことで、課題発見力・問題解決力・交渉力・創造力・決断力などといった、起業家だけでなく今や普通のビジネスマンにも必要とされる”自律的な能力”や”チャレンジ精神”などの「起業家マインド」を醸成することにつながり、強い人間が育まれるものと思う。
こうした若年層への取り組みが、より一層拡がることに期待したい。
経産省「起業家教育促進事業」野村総研調査