産学官連携し構想、観光資源も視野
大村湾を越えて
大村市や西彼地区などをつなぐ「浮橋(フローティング・ブリッジ)」構想が動き始めた。観光や交通システムの改善などの県勢浮揚に向け、同市や
長崎大、
三菱重工など産学官が一体となった取り組みで、環大村湾の各自治体を巻き込んだ協議会の発足も目指す。
「大村湾フローティングブリッジ勉強会」(座長・後藤惠之輔長崎大名誉教授)が昨年末、発足。松本崇大村市長をはじめ
長崎総合科学大、シンクタンク、三菱重工など産学官の専門家が集結。後藤名誉教授が1993年に提唱した「大村湾浮橋構想」をベースに、今年から研究を始める。
浮橋の利点を最大限に利用、交通アクセス改善へ
後藤名誉教授によると、浮橋は米ワシントン州シアトルなどにある。特徴として工費や工期を大幅縮減できるほか、工事による自然環境への影響が少ない。浮橋自体が観光資源になるほか、浮橋に釣り堀やプールなどの施設を併設することで市民の癒やしや、レジャーに活用できるという。
現在は大村湾が東西南北を分断し、交通アクセスの阻害要因となっている。浮橋実現で各地域間アクセスの劇的改善や、
長崎空港への直接乗り入れなども見込め、一石二鳥も“三鳥”にもなる可能性を秘める。
勉強会は今年から研究を重ねながら、環大村湾の自治体が参加した協議会に移行していきたい考え。後藤名誉教授は「1年半ぐらいかけて、協議会になれば勢いもさらに増す。閉塞した県の現状に夢を与えたい」と話した。